Thursday, 4 August 2016

プロヴィディフの要塞

プロヴィディフ(Plovdiv)の町はギリシャ時代から始まったため、その古さから旧市街は高台に隔離されていた。郊外にビザンチ時代の要塞跡と僧院があるので行ってみた。要塞と言っても、岩山の高台に構えた石落としの砦だ。細い一本道が眼下に見落とせ、敵が通るのが良く見る。そこから数キロ奥まった処に僧院があった。リラ僧院と同じで、寄宿用のアパート形式である。今までビザンチやオスマンは侵略者のイメージがあった。ただここからトルコ国境までは150Km程と目と鼻の先である。トルコ領でも決して不思議でない。悪いのは外的だ・・・現場に立つと、そんな気持ちになってきた。

市内に戻る途中、空軍博物館の看板が目に入ったので寄ってみた。空港の一角にロシア製の古いジェット機が陳列されていた。係の人が「ソフィアに行けば軍事博物館があるよ!」と言われ、その後訪れた。何故か、どちらも地球の歩き方やミシュランに載っていない。軍事の方も立派な施設で、野外にはロケット、戦車(これもロシア製)が並んでいた。建物の展示は素晴らしく、正にブルガリアの歴史館であった。ローマ、ビザンチン、ロシアの大国に蹂躙されたとはいえ、戦っていたのはブルガリア人だった。そんな当たり前のことが伝わってきた。

プロヴィディフからコプリフシティア(Koprivshititsa)という山岳地帯の美しい村に向かった。そこからソフィアまで1時間、帰りの飛行機に間に合う場所だ。途中、城壁が残るヒサヤ(Hisarja)という町を通った。何のことはない処だったが、平日の昼だと言うのに、緑の公園に隣接したテラスで多くの人が歓談していた。それもビールを飲んでいる。改めて目に見えない豊かさを感じてしまった。

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