Sunday, 28 August 2016

フラン・バロの絵画

銀座の画廊には縁がなかったが、パリで良く通ったギャルリーがあった。それはオルセー美術館に近いベルヌイユ通りにあり、いつも立派な主人が店にいた。置いてあったのは比較的新しい作品で、写実的な作品が多かった。

元来英国のコンスタブルが好きであったが、その自然を忠実に描いたスタイルにピッタシだったのが、フラン・バロ(Fran Baro)であった。優しい筆のタッチに魅かれ、何度か通う内に2点を買い求めた。どちらもセーヌ河をバックにした絵で、ロワイヤル橋とシテ島を描いたものだった。

残念ながらどちらも火事で消失してしまったが、何年かしてサント・ノーレ通りの「マルモ」という画廊で彼の作品を見つけた。決して有名な画家ではなかったが、既に値段はソコソコになっていた。その時は懐かしくて手が出そうになったが、もう買う意欲がなかった。


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