久々に神宮外苑でテニスをした。お盆のこの時期、コートはガラガラだが、並木道は上京した人で混んでいた。神宮はテニスの聖地である。相変わらず上下白の伝統が続いているが、華麗なテニスも本質は下剋上と排他性のスポーツである。上手い者が偉く、下手が小さくなる習性を持っている。その最たる世界が神宮である。
昔は、神和住や佐藤直子のお父さんが長老で仕切っていた。それを支えたのが大学体育会のOBだ。クラブハウスに面した4面はいつも空けておく暗黙のルールがあった。困ったのは、各コートが学閥と社閥で固められていたことだった。XXコートは松下電器、△△コートは医科歯科・・・といった具合に自然と決まっていた。初めは気が付かないが、暫くして自分だけが部外者だと知ると、無所属派は一番奥のボードに追いやられた。
一方で今でもそうだが、当時からクラブハウスはサロンの雰囲気があった。テニスはやらないけど、社交場として使う人も多かった。代表的だったのは亡くなった中川昭一氏である。若い頃から女性を含むも多くの取り巻きに囲まれ、人の輪が絶えなかった。ただ亡くなる1年前には酒を飲んでいたという。いつの間にかサロンがバーになってしまった・・・。
そんな外苑コートもオリンピックで移設するらしい。そういえば隣の秩父宮ラグビー場も建て替えられるのでガランとしていた。人々は歳を取り、風景も変わろうとしている。
No comments:
Post a Comment