ギリシャのテッサロニッキから只管西に、マケドニアの町オーフリッド(Ohrid)を目指した。オーフリッドは湖畔に佇む世界遺産の避暑地である。山頂にある城壁から見下ろした景色は素晴らしかった。レストランで捕れたばかりのマス料理がお勧めだというので頼んだ。Zlatendabと云う地ビールとやはり地元の白ワインと相性は抜群で美味かった。
翌日は首都のスコピエ(Skopje)に行った。町には銅像がやたらに多く、どれもペンキで悪戯書きをされ野放しになっていた。この退廃はどこから来るのだろう?不思議に思って調べてみると、段々理由が分かってきた。つまり我々が何となくロマンを感じていたのは紀元前のマケドニア王国で、今のマケドニアとは別物だと言う事だ。当時はギリシャの一部であり、ローマ時代の前のヘレニズム時代であった。一方今のマケドニアは、王国とは無関係で民族の集合体に過ぎないようだ。昔の名前はギリシャにとっては面白くない。
オーフリッドの山頂でカナダ人の青年に会った。話を聞くと親がマケドニア出身でルーツ探しに来たという。そう云えば、ブルガリアのプロヴィディフという町でも先祖がブルガリア人というオランダ人に会ったり、カザンラクで道を聞いた人はカナダ人だった。夏休みなので、多くの子孫が里帰りしていた。王国は潰れど人々は世界に散っている。
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