羽田からブルガリアの首都ソフィアまでは、ドーハ経由で17時間、アラビア半島の砂漠が緑に変わるとバルカン半島である。旅はそのソフィアから始まった。ソフィアと言っても上智はSophia、こちらはSofiaと書く。町は山に囲まれ所々に寺院があるが、何かガランとした感じがする。これは一昔前までソ連の衛星国だったからだろうか。
ソ連が去ると今まで町を飾っていた社会主義のプロパガンダが一掃されたが、その歯抜け感は今でも消えない。ソ連が金目の物を持って行ったので、歴史博物館の展示品は殆どない。一方、ガイドブックに載っていない軍事博物館の方は立派だった。ソ連製のタンクやロケットが所狭しとばかり並べられているし、余程こちらの方が歴史を語っていた。
翌日は世界遺産にもなっている「リラの僧院」を訪れた。ブルガリア正教の聖地で、山道を車で1時間上りやっと辿り着けた。人の足なら何日掛かる秘境、改めて外敵を寄せ付けない世界に、それも14世紀の文化に驚いた。建物はアパート形式の寄宿舎で、各地から集まった僧侶が修行していたようだ。気が付くと午後2時を廻っていた。慌てて山を下り、走ること200Km、その日はギリシャの港町テッサロニキ(Thessaloniki)に泊まった。Kozelというギリシャビールとワイン、イカ揚げで長い一日が終わった。
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