Friday, 22 April 2016

ヒュースケンの墓参り

ヒュースケンの日本日記を読んでから、彼の墓がずっと気になっていた。やっと麻布の光林寺を訪れると、境内の端の方にひっそりと建っていた。寺は都会の真ん中とは思えない静けさで、霊気を感じた。

ヒュースケンは幕末に来日した通訳だった。石鹸やの息子が、オランダ語が話せるだけの理由で採用され、初代駐日公使ハリスの通訳になった。若干24歳の時だった。彼の書いた日記には、江戸の宮廷が簡素で気品と威厳があったこと、人々は質朴で子供達の愉しい笑声が聞こえる豊かな国土だったこと等が記されている。開国前の静かで平和な雰囲気が伝わってくる。

残念なことに彼は攘夷派に殺害されたが、日本人妻との間に子供がいたという。その子孫はどうなっているのだろう?墓は残っているが、遺体は既に運び出されたので、記念碑みたいなものだ。それでもこうして生で見ると、幕末が身近になる。

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