年賀の挨拶に久しぶりに取り出した万年筆があった。10年ほど前にドイツの会社から貰ったファーバーカステル(Faber-Castell)である。最近はパソコンで済んでしまうので、字を書くことは難儀する。
そのファーバーカステル社であるが、暫く前に創業250年を迎えた記事が出ていた。ドイツのバイエルン地方の都市、ニュールンベルグがその発祥の地である。今や世界に7000人の従業員を抱える地元の名門企業だ。ただ戦争中は大変だったようで、先代の最初に結婚した女性がユダヤ人の血統だったためナチスに目を付けられた。2人はやがで離婚したが、子供への迫害は続いた。そんなこともあってか、当主だった伯爵はスタッフェンベルグ(Claus on Stauffenberg)と親交があったようだ。
スタッフェンベルグはバイエルン地方の貴族で、ヒットラー暗殺を企てた高級将校である。その辺は映画になったり、「知られざるドイツ(Secret Germany)」という本に良く書かれているが、彼の騎士精神はバイエルンの風土と無関係ではないようだ。ニュールンベルグは戦後の裁判が開かれた場所として有名だが、それはナチスへの聖地だった報復の意味もある。万年筆に触れると、ドイツの会社の思い出や地元の歴史が蘇る。
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