台湾と聞くと、王貞治やテレサ・テン、最近ではやはり歌手の一青窈を思い浮かべる。隣国なのに普段はあまり接点がない国だが、とても親日的な国民性だと聞いている。かの李登輝総統の「武士道」も、日本人以上に日本的だったりした。ある外交官が「ここなら骨を埋めてもいい」と言っていたのを思い出すが、行ってみると外国のような気がしない。町並みは極めて日本的で、沖縄、石垣島のような感覚だ。
その台湾だが、初めて訪れたのが今から40年以上前だ。まだ国交が無かった時代だが、香港から日本に帰る飛行機がエンジントラブルを起こし、台湾の空港に不時着陸した。結局その日は飛べないことが分かったので、機内の人は警護の元、バスで近くのホテルに運ばれた。
後で分かったがそれは有名な温泉で、食事が終わるとゾロゾロと若い女性が入って来た。気が付くと壁際に座っているこちらを見ている。その内おばさんがやってきて、「どの子がいい?」と聞かれた。まだ学生でお金もないので断った。翌朝又同じ場所で食事をしていると、昨夜仕事をした女性達が肩を落とし、一人また一人と玄関から出ていくのが見えた。それは何とも哀れな姿だったが、台湾と聞くと当時を思い出す。
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