Wednesday, 30 December 2015

海難1890を観て

山岳小説でこの一冊と聞かれれば、迷いなくボブ・ラングレー著「北壁の死闘(原題:Traverse of The Gods)」を上げる。第二次大戦下、ドイツから科学者を救出する話だが、舞台はアイガー北壁である。息詰まる登攀の途中、科学者の体温が下がり、遂に命が尽きようとする。その時同行した女性が裸になって体を温めるが、厳寒と相まって緊迫した効果を生んでいる。

今上映されている映画「海難1890」を観ていたら同じようなシーンがあった。座礁したトルコの負傷兵を主役の忽那汐里が助けようとするが、こちらはリアル感がなかった。冒頭トルコの大統領の挨拶から何か国策映画の臭いがし、これは日土の親睦を謳った教育映画だと思った。

ただイラン・イラク戦争の時、テヘランの日本人救出劇はまだ良かった。空路は日本人に譲り、陸路を余儀なくされたトルコ人だったが、イスタンブールには車で2日も掛かる言う。でもたった2日で行けるの?そんな両国の地形を感じだ。

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