Sunday, 29 November 2015

カール12世の葬送

ロシア機がトルコ機に撃墜された。ロシアは侵犯していないと云うが、トルコは警告のテープを公開した。ただでさえも複雑なシリア問題が、更に拗れてしまいそうだ。

それにしてもロシアとトルコの関係は長い歴史がありそうだ。1700年の初頭、この人が居なければ今のロシアもなかったと云われるピュートロ大帝は、西と南に活路を求めた。その南がウクライナだったり、時のオスマン帝国だった。一方当時のヨーロッパの大国はスウェーデンだったので、両国は何度か衝突し大北方戦争が起きた。スウェーデンの国王だったカール12世は中々行動力もあったので、一時はピュートル大帝に勝ったこともあったが、絶体絶命の時に逃げ込み亡命したのがオスマン帝国だった。彼はそこで鋭気を回復し、兵を立て直し再びロシアに挑んだが、最後は(現在のウクライナの)ポルタヴァの戦いで敗れ、その後死亡した。スウェーデンは以降小国になって現在に至っている。

ある時ストックホルム美術館で、この時の「カール12世の葬送」と称する絵画に出会った。それは歴史の節目を象徴しているかのようで、とても印象的だった。彼を助けたオスマン帝国は西洋のシンパだったのか?今回の事件を通して、改めてそんなことを思い出した。

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