Monday, 17 August 2015

軽井沢特権

終戦日の新聞に、スイス公使が終戦末期に軽井沢から打電した話が載っていた。内容は外交特権ならぬ軽井沢特権(Karuizawa Immunity)である。これが日本の国体(天皇制)を維持する意味で、爆撃するなになったという。真偽の程は闇の中だが、さもありそうな話で興味深かった。

思い出しのは、五十嵐均著「ヴィオロンのため息の」という本だった。中々良く書かれていて、20年ほど前に横溝正史賞を取った。内容はやはり終戦末期の軽井沢を舞台にした、こちらはドイツ将校と日本人の若い女性の物語だった。張り詰める空気の中、印象に残る一冊だった。

軽井沢は不思議と人の距離を短くする場所だ。緑が多く、都会の延長とはいえ、そのバランスがいいのだろう。今だに散歩しているとすれ違う人々は挨拶する。そんな風土が当時もあって、人間らしさを取り戻したのかも知れない。

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