Saturday, 25 April 2015

骨董品のストーリー

「何でも鑑定団」はいつ見ても面白いTV番組だ。骨董の値段は基より、当たり外れの出展者の表情がいい。アンティックからガラクタになった瞬間に、人生が否定されてしまうスリルがある。中でも昔にお世話になった人から頂いた品が、一瞬にして価値がないと知ってしまうのは凄い。恩人が詐欺師になってしまうからだ。

ただ例外もある。随分昔になるが「旅情(原題:Summertime )」という映画があった。キャサリン・ヘプバーンが演じるオールドミスがイタリアのベニスを旅する。ぶらっと寄った店でアンチックのグラスを買ったが、暫くしてそれは土産物の偽物だと分かって返しに行く。ところがそれが縁で店主との恋に落ちるというストーリーである。

お金で失敗したかも知れないが、ロマンスが相殺するという如何にもイタリアを舞台にした物語であった。普通はそう上手くはいかないが、多かれ少なかれ骨董品にはストーリーがある。

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