日本の領土防衛と称し、刻々と準備が進んでいる。気のせいか、住宅地の上を飛ぶヘリコプターがやたらに増えてきた。テニスボールのトスを上げると、上空に飛行機が重なって見える。誰かが、「その内テニスコートもスカットミサイルの基地として没収されるぞ」と心配していた。
そんな中、中公新書「勝海舟と幕末外交」は面白かった。やや専門過ぎるきらいはあったが、幕末の混乱期、対馬に居座ったロシア艦隊を追っ払った話であった。外国語も稚拙だった時代、当時の侍は英国を上手く使ってロシアに圧力を掛けた。その結果、相交えることなくロシア艦隊は去って行った。時あたかもクリミア戦争で英国がロシアを破った時代、日本はそのパワーポリテックスを使った。
裏で動いたのが勝海舟だった。鎖国の時代、外国人の殺傷事件は多かった。一歩間違えれば日米、日英の戦争になっていても不思議ではなかった。それをグッと抑えた大局観を誰もが持っていた。あの頃でも出来たのだから、まだまだ知恵の出し方が足りない、そう思った一冊だった。
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