Saturday, 11 April 2015

ポツダムの鱒

読売新聞の「戦後70年、歴史を歩く」にポツダムの宮殿が特集されていた。ベルリンから30分、終戦を間近に英米ソの首脳が集まりポツダム宣言を草稿した歴史のスポットである。今から20年程前に訪れたが、スターリンやチャーチルが出てきそうな静かな場所だった。

行ったのは英仏独を廻る10名程の調査ミッションだった。ベルリンで仕事をした後ポツダムに寄り、近くの湖で食事をした。事前にミシュランで予約した一つ星のレストランだったので、湖を見下ろしながら食べた名物の鱒は最高で好評だった。それが評価され、同行者にコーディネーターは「こうでねーと!」とお褒めの言葉を貰った。

ところが肝心の仕事の方はさっぱりだった。帰国までに報告書を纏めるため、役割分担した人がその日の内に原稿を書き、寝る前に私の部屋のドア下に投げ入れる。それを貰うと深夜に校正して帰国までに仕上げるのだが、不眠が続き1週間で体重は2kgも減った。しかも苦労して纏めた報告書は、「何を言っているのかさっぱり分からない」と酷評だった。ポツダムと聞くとその甘くて苦い記憶が蘇る。

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