戦艦武蔵が遂に発見された。映像を見て興奮した人は多かっただろう。船首に菊の御紋さえなかったが、フィリッピン沖の雄姿は紛れもなく日本の船であった。
発見したのはマイクロソフトの創業者だった。小説家のクライブ・カスラーも難破船を発掘しては、それをヒントにダーク・ピットシリーズを書いている。金持ちになるとタイムマシンに乗って旅してみたい気になるのだろうか、歴史の瞬間に立ち会うことが究極の喜びになるのは分かる気がする。
武蔵は長崎の三菱重工で造られた。戦時中にて監視が厳しく、丘に建っていたグラバー邸も接収された。スコットランドから日本に来て薩摩の若い人を英国に留学させたトーマス・グラバーの家だった。住んでいたハーフの子息はスパイに見られ、その煽りで終戦の間近に自殺した。武蔵に纏わる話は沢山あるが、忘れられていた過去が蘇ってくる。
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