Thursday, 26 February 2015

江戸末期の処刑

とある人に触発され、最近は明治維新の日本に凝っている。岩波文庫のアーネスト・サトウ著「一外交官の見た明治維新」(原題:A Diplomat in Japan, Sir Ernst Mason Satow)は当時の様子を生々しく描いていて面白い本だ。

幕末は生麦事件に始まり外国人殺傷が頻繁した。1864年、明治維新の4年前に英国軍人2人が鎌倉で切らる事件があった。その犯人が捕まり処刑されことになったが、著者はその現場に立ち会った。介添え人が罪人の左に立ち、一振りで首を切り落とす。刑士は落とした首を首席役人に見せ、「見届けた」という返事をもらって穴に投げ込む・・・、中々リアルで新鮮なものがある。

それからトラブル処理もある。鎖国時代の日本を外人が闊歩していると、あちことで衝突がある。言葉が通じないのに加え、関所などが通行を妨害する。押し問答した挙げく、最後は大声で威圧すると侍は引下がるという。これはペリーの黒船以来変わらぬ欧米の手法である。日本が外圧に弱く外圧によって国が変わっていくのはこの頃から始まったようだ。本書が太平洋戦争時に発禁されたのも頷ける。

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