Monday, 1 December 2014

豪徳寺の息遣い

先日彦根を訪れた縁で、大老井伊直弼が眠っているという豪徳寺に行ってみた。行ってビックリ、広い境内には三重塔・山門・鐘楼など、まるで京都に来た様な錯覚になった。灯台下暗しとはこのことだ。折しも紅葉真っ盛り、平日だというのに多くの外人がカメラのシャッターを切っていた。

目指すは井伊直弼の墓、それは彦根藩先祖代々の一角にあった。17世紀から続く由緒ある家系、その一番端に建っていた。しかし赤穂浪士もそうだったが、地方出身者が江戸で埋葬されるのは何か不思議な気がした。

たった150年前のことだ。安政の大獄によって反開国派が粛清された反動で桜田門外の変が起きた。今となっては殆ど忘れ去られているが、こうして清められた境内を歩くと、誰かが掃除しているせいかも知れないが、故人の息遣いが聞こえて来るようであった。

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