やっと図書館から連絡があり、百田尚樹著「海賊とよばれた男」が貸し出せるという。随分遅くなったが、時のベストセラーを読んでみた。
出光興産の創設者、出光佐三の伝記である。話題になっているだけあって、読みごたえがあった。イランやソ連との予想しなかった取引、石油公団・通産省を相手にした日本村の戦いなど、やはり昭和の気骨が伝わってくる。日本への忠誠心、義理と人情、当時はそんな人が多かった。主人公も沙流ことながら、それを支えた日田というパトロンも凄かった。パトロンが亡くなり、その名を新設タンカーと製油所の住所に残したくだりにはグッと来た。読み終わって、改めて出光という会社を考えるようになった。
加えて著者の日本語がとても快い。よく時代を調べ、それを物語のバックに上手く嵌め込んでいる。「永遠のゼロ」は素晴らしい作品だったが、これも劣らず良かった。
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