随分前になるが、バルセロナ(Barcelona)に行った。有名なガウディの教会や丘の上に残っているオリンピック会場など見て廻った。翌日は郊外のタラゴナ(Tarragona)という港町に泊まり、イカ墨料理を食べた。今から思えばそこはスペインとはいえ、カタルーニャ地方だった。
昨日その地域で独立の国民投票が行われた。5百万人の住民がいるというから大きな地域だ。スコットランド、ベルギーのフランドル、中国のウイグル・・・歴史に飲み込まれた民族の一つがカタルーニャという。全くの無知だったので、中公新書「物語カタルーニャの歴史」も読んでみた。ただあまりに昔の事だったので、正直ピンと来なかった。
ところがとある雨の日、パブロ・カザルスのチェロ演奏をCDで聴いていた時だった。カザルスってどんな人だろう?と検索してみたら、何とカタルーニャの人だった。導かれるままに、国連で彼が91歳の時に弾いたチェロ演奏をYoutubeで聴いた。1971年の冷戦時代、彼は演奏を前に「鳥はピース・ピース・ピース(Peace)と鳴く」と語り、今はなきカタルーニャの「鳥の歌(El Cant Ocells Dels)」https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=frizJZee0dEを演奏した。それは初めて見る者にとっても感動的だったし、見知らぬ歴史が伝わってきた瞬間だった。
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