小倉に泊まった。小倉、北九州と言えば暴行団、何日か前に、工藤会のトップが逮捕された矢先だったので少し不安だった。夜の街は人気が少なくなっていると聞いていたが、行くとそうでもなかった。ただクレジットカードが使えないのには驚いた。ホテル、レストラン・・・全て現金のみ、そういえばシシリー島に行った時もそうだった。それって、マフィアとヤクザの町の共通点なのだろうか?
そんな中、飛び込んだ居酒屋は良かった。この季節、こりこりしたゴマサバ、生きたイカを捌いた天ぷら、昔は近海で捕れたという鯨など、安くて旨かった。地酒の天心を飲みながら、すっかり旅情に浸ってしまった。
小倉はややもすれば原爆が落とされていたかも知れない。当日天候が優れず、B29は小倉を諦め長崎に向かった。戦後は日本を代表する工業地帯として発展したが、新日鉄が撤退してから寂れてきた。町は古く、緑や潤いとは縁遠い。乗ったタクシーの運転手も元クレーンの作業員だったという。全国の工場を渡り歩き、土建をやってきた。最後に選んだのはここ小倉、生きているヒトにも、戦後の匂いがぎっしり詰まったいるようだ。
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