英語圏を旅していると、時々英語の語源に遭遇する。今回訪れたゴルウェー(Galway)でも面白い話があった。
それは1600年代の市長の話だ。リンチ(Lynch)と言う名の市長には息子がいて、彼はスペインとのワイン貿易の仕事をしていた。そんなある日、息子の結婚を目前に、死の床に就いた船の同僚から、息子が船中で殺人を犯していたことを聞いた。正義をモットーとする市長は、群衆の見守る中自宅の窓から息子を縛り首にして吊るした。以来リンチは私刑の意味で使われることになったという。因みにリンチ名はアイルランド人に多く、メリル・リンチやワインのリンチ(仏語はランチ)・バージュ、映画「ツイン・ピークス」の監督のデービット・リンチなど多士済々だ。
また拒否運動を指すボイコットもある。1880年代の土地の管理人だったボイコット大尉(Captain
Boycott)は、英国からアイルランド西部に派遣された退役軍人だった。飢饉の時代に厳しい取り立てを行ったため、地元の商店や洗濯屋などから総スカンを喰った。それが転じて今ではボイコットの名は拒否・排斥の意味で使われている。
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