トランジットしたコペンハーゲンの空港で、本屋を覗いていたらジェフリー・アーチャーの新作を見つけた。クリフトンシリーズの4作目「望みは慎重に(Be Careful What You Wish For)」である。
早速買い求めて機内で読んでみた。3年前からストーリーが続いているので読み易い。既に主人公は子から孫の世代に移り、時代も戦後になっている。面白いことにSONYの盛田社長が登場する。イギリスに資金調達にやって来る設定だが、1950年代にも拘わらずSONYは既に世界一流の仲間入りを果たしていたようだ。また前号からの偽札絡みで南米の元ナチが出てくるが、イギリスとの接点がIRAの闘志になっている。著者は英国人なので、悪役はやはりアイルランド人なのだろうか?
ともあれ相変わらず上品で撫でるような文章は快い。思えば登場人物の夫婦と養子が皆兄弟の関係にある。当然その子も近親である。そうしたドロドロとした世界にも拘わらず、ヒューマニズムに富んだ爽やかな仕上げになっている。
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