Thursday, 12 June 2014

宇治を歩いて

大阪から京都に向う途中、宇治に泊まった。京阪の終点、宇治駅に着くと小雨が降っていた。宇治川に添って宿を目指すが、行き交う人は殆ど居ない。歩くこと10分、やっと今日の宿が見えてきた。

玄関を入ったが電気が消えている、呼んでも誰も出てこない。暫くして宿の女将がやってきた。聞くと、この日の泊り客は私と写真家の2人だけらしい。ガランとした廊下も真っ暗で、怖い感じすらある。一風呂浴びて食事に繰り出した。「京都風の小料理屋で粋に飲みたい」、そう思って店を探すが不思議とそれらしき店はない。あるのはサイゼリアや洋風食堂、30分探して結局駅前の回転寿司に入った。

宇治は源氏物語、紫式部のメッカである。京の華やかさに対し宇治は静けさ、昼に対し夜、春に対し秋、の位置付けらしい。今でもそうなのに、昔はさぞかし寂しいところだったのだろう。ゴーゴーと唸りを立てる宇治川の川べりを歩き、一人宿に戻ったのである。

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