Monday, 2 June 2014

ASKAの半夢

ASKAが覚醒剤で検挙された。芸能人はテンションが高くないと曲が作れないというが驚いた。そして皮肉にも今回の事件が切っ掛けになり、CDの売上が伸びているという。

陳舜臣の「実録アヘン戦争」(中公新書)には、1840年代の中国が英国からのアヘンで国が廃人と化していく姿を紹介している。その頃の日本と言えば幕末末期、国の夜明けを前に志士たちが血を賑ぎ滾っていた頃である。あのままアヘンを吸い続けていたら今の中国はどうなっていたのだろう・・・そう思ってしまう出来事だった。

「アヘンは半夢(Demi rêve)を育む」、「アルコールは発狂の発作を誘発するが、アヘンは節制の発作を誘発する」と、フランスの詩人ジャン・コクトーの言葉も引用している。飲めば頭が冴える、それだけで魅力的だ。アヘンと覚醒剤の違いは知らないが、どちらも人の境地に付け入る魔力を感じる。

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