Friday, 16 May 2014

カッスラーとサンタマリア号

カリブ海でコロンブスが乗っていたサンタマリア号が発見された。金塊の一部が陸揚げされ、これから本格的な探索が始まろうとしている。例によって関係者の利害が交錯し、とん挫していた引揚の目途が付いたようだ。

沈没船の探索と言えば、何といってもクライブ・カッスラー(Clive Cussler)である。海洋小説のベストセラー作家、私のペンネームPittも小説の主人公Dirk Pittから借用させて貰っている。代表作の「沈んだ船を掘り出せ(The Sea Hunters)」は自費で行った南北戦争の戦艦探し、「マンハッタン特急を探せ(Night Probe!)」はNY近郊の沈没船探し、日本海軍の潜水艦も出て来る「極東細菌テロを爆破せよ(Black Wind)」の舞台は太平洋、「コロンブスの呪縛を解け(Serpent)」は大西洋だ。

最初に歴史の一コマを再現してから現代に飛び、そこに渦巻く人々を通し又過去に回帰する手法はまるで映画を見ているようだ。特に遭難の発端となったシーンの再現はとても面白い。加えて主人公のPittは知的で体力があり、ユーモアのセンスに富む理想的な男だ。何といっても女性にモテるのがいい。カッスラー自身、本を書きながら自費で探索を続けている正に海の男である。近年は共著と称する他人の筆に負うところが多いが、未だに自身の単独本には敵わない。

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