新年度に入り、新入社員の季節である。新人の第一印象は大事だ。ルックス、清潔感、物腰・・・最近は香りが大事だという。女性は勿論、職場効果があると男性用コロンも多くなった。
そんな折、M君が偉くなり個室と秘書が付いたという。毎朝秘書が部屋までお茶を運んで来ると、内心嬉しそうだった。早速おめでとうの小席を持ったが、「いや部屋が古くてかび臭くてね」と贅沢な事をいう。そこで友人として、「そんな事より君の体臭に気を付けろよ!」と注意した。秘書が部屋に入ってまず感じるのは匂いだ。カビも沙流ことながら、爺臭い加齢臭が漂えば最悪だ。ただそう思っても決して口には出せないのが辛い。はっとしたか、M君は早速明日、消臭剤とファブリーズを買いに行くことになった。
匂いをテーマにした代表的な本は「香水(Das Parfum)」である。ベストセラーを続け、映画にもなった。舞台はフランスのパリ、嗅覚に特殊な才能を持った男の話である。男はある時殺人を犯し窮地に陥るが、誰もが幸せを感じる香水を作り散布する。すると糾弾する人々がその香りに酔ってしなうというオチである。鼻のいいフランス人らしい小説である。これは香りが人々を幸せにする例だが、多くは不快になる。自分には分からないので怖い世界だ。
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