Sunday, 27 April 2014

エレファント・マンの時代

先日のル・ポアン誌にエレファント・マンの話が出ていた。エレファント・マンことジョゼフ・メリック(Joseph Merrick)は、細胞が異常に増殖する体質で世にも不思議な風貌になったイギリス人であった。今から124年前のこと、彼の死因を巡って自殺、他殺説色々あったが、結局寝返りを打った際に窒息死したらしい。

改めて写真を見てみると凄い風貌だ。映画でもあるように、彼は見世物小屋で生計を立てていたらしい。周囲の冷やかな目が注がれる中、幸いその小屋の主人や、フレドリック・トルべス(写真左)という医者が味方になったようだ。

この話を聞いて思い出したのは、昭和30年代の東京の縁日だ。やはり掘立小屋があり、小人の女が鶏を生で食べる出し物があった。とても怖くて見る勇気すらなかったが、当時の日本は貧しく生きていくのに精一杯の世界があった。124年前のイギリスと言えば南アフリカでボーア戦争が始まりインドの統治が揺らぎだした頃だ。その後の凋落を知る由もない正にイギリスの絶頂期であった。そんな時代のロンドンの風景を垣間見たのである。

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