Thursday, 27 March 2014

沖縄守備隊と八原参謀

「尖閣諸島に行くにはどうするの?」と地元の人に聞いた。すると「それは与那国島まで行かなきゃ」と言われた。いくら西端といっても、石垣島からは170Kmもあるから無理だ。与那国島には今、海上自衛隊の停泊港を作っているという。

旅すがら、石垣島の書店で買った稲垣武著「沖縄 悲運の作戦」が面白かった。沖縄守備隊の参謀だった八原博通大佐の生涯を綴った本である。守備隊長牛島中将の自決を娶り、大本営への報告への脱出途中で捕まった人である。硫黄島の籠城教訓を生かそうと練った作戦が、血気に流行る周囲に足蹴にされたり、良識派だったが当時は異端の人だったようだ。

実はその本に石垣島は殆どで来ない。それもそのはず、大本営はマッカーサーの蛙飛び作戦で、レイテから一気に沖縄に戦場が飛んだためだった。唯一石垣島には空港が建設された。それは民間人がスコップで切り開いた空港だったが、結局飛び立つ飛行機もないまま終戦を迎えたようだ。石垣島の住民は戦争にこそ巻き込まれなかったが、マラリアで多くの命を失った。それは沖縄戦を前に来島した日本軍が、平地の牛を徴収して住民をマラリアの多い山岳地帯に追いやったからだ。その賠償請求は今でも続いているというので戦争の傷は深い。

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