Sunday, 16 March 2014

シンガポールとビールの味

テニスクラブでボード打ちをしていたら、Tさんとばったり会った。Tさんはシンガポールに駐在している営業マンだ。仕事で帰国したというので、シンガポール駐在経験から「どう、シンガポールって好きになった?」と聞いてみた。帰ってきたのは「ヒューガルデン(Hoegaarden)が美味しくて・・・」という意外な言葉だった。

それを聞いてさもありなんと思った。というのも、シンガポールは国土が狭いので、いちいち飛行機の切符を買わないと移動出来ない。そして何より熱い。それもそのはず、南十字星が見える赤道直下の国だ。人々の楽しみは食べることだ。旧英国の植民地だった影響か、道路と海外からの輸入文化は現在も健在だ。中でも食は、築地の魚を週2便運んでいるように充実している。特にビールは旨い。3-4日もすれば気が抜けてしまう生ビールは、回転率がいいせいか常時本国の味を堪能出来る。私が連日通っていたのは、オーチャードロードから入ったマーディー・マーフィー(Muddy Marphy)のパブである。そこで覚えたキルケニー(Kilkenney)は、透明感ある絶品だった。後日談もあり、その駐在から6年して本場のアイルランドのキルケニー市を訪れ飲み比べもした。

シンガポールは2つのクリーンの街という。一つは読んで文字の通り清潔という意味だ。ガムやタバコを落としても罰せられる。もう一つは厳しいという意味だ。元々は中国、インドから逃れてきた人達の雑居な文化の国である。そのため規律を厳しくして統治しているが、タイやインドネシアと違って堅苦しいのが難点だ。ビールは確かに旨いが、地ビールでいいからリラックスして飲みたい、それが駐在員の本音ではないだろうか。



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