Thursday, 13 March 2014

諏訪の片倉館

最近は何とか遺産の話が多い。和食、キムチ・・延いては従軍慰安婦まで申請しているという。中でも違和感のあるのは富岡の製糸工場だ。街の道路には、取って付けたようにシルクロードが走っている。

今日は雨の中、上諏訪の片倉館を訪れた。80年を超える由緒ある天然温泉で、国の需要文化財に指定された建造物でもある。割引券があると300円で入れるのも嬉しい。その片倉館は、大正時代に地場の片倉工業が作った公衆浴場という。当時の社長がヨーロッパで啓蒙され、千人風呂と言って従業員が沢山入れる風呂を作った。実際には30人程しか入れないが、それでも底の砂利は歴史を感じた。天井も高く、レトロな雰囲気は一見の価値があった。

その片倉工業は、先の富岡製糸工場をバブルの時の買収したようだ。結局失敗して富岡市に売却したが、跡継ぎのバタバタが目に浮かんだ。つくづく暖簾を継承のは大変だ。地元の酒「麗人のごとし」を飲みながら、今も淡々と流れる単純温泉にあれこれ思いを馳せたのであった。

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