各国にある戦争博物館は、その国の特色があって面白い。訪れた中で一番大きかったのは、ソウルの戦争博物館である。朝鮮戦争の時に使った兵器が処狭しと並んでいる。勿論ナショナリズムの高揚を意識している。昔は秀吉から始まる日本の侵略展示が多かったが、10年ほど前に行くと殆ど無くなっていた。代わりに北をテーマにしたものになった。
ロンドンは第二次大戦の飛行機、武器など、やはり数では多い方だった。印象的だったのは、アシカ作戦と称してドイツが英国に上陸する時に地方では大騒ぎになったが、その人々の様子が綴られていたベルファーストの博物館だ。フランスはアンバリッドにあるナポレオン時代の武器が圧巻だ。ただ第2次大戦になると、ノルマンディーなど各地で両軍が残していった武器を展示している程度である。ベルギー・オランドもその類だ。アメリカはやはり第二次大戦の戦勝品である。テキサスの特殊潜航艇やゼロ戦など、太平洋から持ち帰った。
日本と同じ敗戦国のドイツはあまりなかった。ただ軍港キールに行った時にドイツ海軍の英霊を祀る建物があった。地下に入ると神秘的な雰囲気で、海の中から声が聞こえてくるような怖さがあった。往々にして、どこも宗教色はなく、武器や資料の博物館といった印象だ。
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