Monday, 20 January 2014

仕事以外に何か一つ

先日ある元大手メーカーの人から面白い話を聞いた。彼は工場一筋の人だった。右に行けと言われれば右、左と言われれば左の典型的な企業戦士であった。忙しい時には1日20時間近くも職場にいた。勿論週末も出勤し、仮眠しては職場に戻る典型的な職員だった。

その彼が50代に差し掛かった時、体調の異常を感じた。会社の医務室に行くと、医者から「仕事以外に何かやりなさい」と言われた。そして始めたのが英会話だった。出張はあったが、改めて外人先生と向かい合って始める外国語は大変だった。言葉を選び、汗だくの授業は緊張の連続だっという。お蔭でそのレッスン時間は全てを忘れ、英会話に没頭したという。正に先生の意図した治療だった。

暫くして彼は体調も戻り元気になった。「それが無ければ、あの時自分はおかしくなっていた」と回顧する。人は気が付かないうちに歯車になり、その変化に周囲は気が付かない。精々奥さんが愚痴るだけなので、況や自覚するのは難しい。話を聞いていて、遂彼に「その先生に感謝しろよ!」と言ってしまったのだ。

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