そして歩き出すと、近くにいたおばさんから、「あんたのような優しい人見たのは初めてだよ!」と言われた。何気ないことだっただけに、突然人から褒められ複雑な心境になった。些細なことが、人の琴線に触れたことにも驚いた。
そもそも見も知らぬ人にお金を上げるのは、あまりいい思い出がない。特にヨーロッパの乞食はプロだから、お金を渡すと感謝されることもなく、むしろ「少ない」とクレームが付くのが落ちだ。中には序に「ビールが飲みたい」言ってくる輩もいるなど、往々にしてデマンディングである。その点、今回の人は本当に困っている様子で、とても乞食と呼べないものがあった。路頭に立たねばならない境遇の人って、日本狭しといえど意外と多いのだろうか。
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