Sunday, 29 December 2013

足尾を訪れて

ひょんなことで足尾に行くことになった。足尾はどこかと思いきや、特急に乗っても東京の自宅からは4時間以上もかかる、正に陸の孤島であった。足尾は足尾銅山として有名だ。1800年代の半ば、江戸時代から明治にかけて、世界一の銅山であった。ところが行ってみると寒村だった。

訪れビックリしたのは、その変わり果てた街並みだ。嘗ての工場はガラスが壊れ吹きさらしに放置されていた。最盛期に4万人もの人が住んでいた宿舎は、殆ど空き家になっているか、取り壊され空き地になっていた。当時の面影を残す銅山観光があるので行ってみた。江戸時代には寛永通宝の硬貨を作っていたようで、坑道に入ると裸の人夫(人形)がノミひとつで彫っていた。過酷な作業だったので、当時は囚人も多かったという。

また戦争中は朝鮮人や中国人、それに南方から連れて来られたオランダ人もいたという。そのことを地元に人に聞くと、彼らの墓に連れて行ってくれた。中国人の墓は立派だったが、朝鮮人の墓は比べものにならない程貧弱だった。どうやら南北朝鮮の人の話が纏まらないのでとん挫しているらしい。ともあれ、ここは日本の近代史そのものだった。

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