封切られた映画「永遠の0(ゼロ)」を早速観に行った。往々にして原作がいいと、かえって裏切られることが多かっただけに、正直あまり期待していなかった。だけど力みのない、自然な役者の立ち回りと、原作に忠実なストーリーはとても良かった。CGを使った撮影技術も効果を高めた。
小説では興味深い表現がいくつかあった。例えば零戦が真っ直ぐ飛んでいるようだが微妙に軌道を変えるのを「滑る」と言うが、映画でもこれを再現していた。戦闘シーンの曳光弾も数発間隔で飛ぶと解説されていたが、これもよく分かった。また映画にはならなかったが、ロケット特攻機の桜花が切り離されるときに、フワッと無重力になる恐怖は、体験した人でないと語れない。
主役のおじいさんが「あと10年もすれば、戦中派が皆居なくなってしまう」という言葉が耳に残った。多くの人が口には出さないが、当時を背負って生きてるのだろう。その時代に生まれたら、きっと自分も同じような生き方をしただろう。サザンのテーマソングを聴きながら素直にそう思ったのだった。
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