先日、昔の仲間とカラオケに行った。例によってお決まりの曲をいくつか歌う。人が聞いていようがいまいが勝手に歌う。それでいて、出てくる歌はどれも聴き慣れた曲ばかりなので気が楽だ。
その晩、T君はユーミンの「ひこうき雲」を歌った。音程は外れていたが、久々に聞くといい歌詞だと思った。続いて歌った曲も比較的軽い曲だったが、昔に比べて選曲が変って来た。現役時代はもっとうらぶれていた。当時の十八番は、中島みゆきの「狼になりたい」だった。朝の吉野家を舞台にして、「ビールはまだか!」を遂々口にしてしまう歌だ。いつもイライラしストレスが溜まっている、それでいて何か出来る訳ではなく、正にピッタシの歌だった。
かく言う私も若い頃、会社仲間から「おまえが歌っているのは、別れの曲ばかりじゃないか」と言われたことがあった。そう言えば、レパートリーは尾崎紀世彦の「また逢う日まで」、小林旭の「北へ」、アリスの「冬の稲妻」・・・、一瞬ハッとした。確かにその頃は出会いと別れを繰り返していた。口ずさむ歌は、今を映し出しているのだ。
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