Friday, 20 December 2013

忠臣蔵と「菊と刀」

連日TVで忠臣蔵をやっている。昨日は片岡知恵蔵の内蔵助であった。やはり彼は重みがあり適役だ。ストーリーも映画が異なると、都度発見もある。泉岳寺は47士の墓と思っていたが、浅野内匠頭が祭られた寺だったようだ。それから大石が江戸に入るに際し、立花左近なる侍に偽るシーンがある。真偽のほどは定かでないが、中々面白い。

忠臣蔵は日本人の忠義を象徴するドラマである。それを初めて紹介したのが、ルース・ベネディクト(Ruth Beendict)著の「菊と刀(Chrysanthemum and the Soward)」であった。そもそもは太平洋戦争時の日本研究だった。それが戦後の占領国管理に繋がったと言われている。ゴッホのジャポニズム同様に、外から諭されて気が付いた日本人の特性であった。

忠臣蔵を何度見ても飽きないのは、その忠誠心も沙流ことながら、死に際の美学だと思っている。人の一生は短い。増して歳を取れば醜くなる。それを脂の乗り切った若い時に散る潔さである。正に桜の散り際もそうだが、誰もが望む男の幕引きであろう。TVでは1960年代の日本の風景が出て来るのが見逃せないし、まだ戦争の余韻が役者の顔形に残っているのが何ともいい。

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