Sunday, 3 November 2013

ハニートラップとロシア料理

ゴルフの件で電話したFさんが、「面白い本があるんだ」と言う。ジェイスン・マシューズ著「レッド・スパロー(Red Sparrow)」で、スパイ小説だ。早速読んでみると、ロシアの雀こと、ハニートラップを専門とする女スパイが主人公だった。色仕掛けのプロを養成する専門学校や、諜報員の待ち合わせ場所など、元CIAの著者ならではの世界が紹介されている。

本の最後に、米ロで捕まったスパイ返還が行われる。場所はエストニアのナルヴァである。ナルヴァはエストニアとロシアの国境の町で一度訪れたことがある。ナルヴァ川を挟んで検問所があり、毎日ロシア側から労働者が渡ってくる。かつてはスウェーデンがピュートロ大帝を破った大北方戦争の舞台で、美しい町があったという。それを第2次大戦でソ連が破壊し、結局はソ連がその後居座ったので再建を余儀なくされた皮肉な歴史がある。エストニア側の高台からロシアが見えるが、38度線ではないが、渡ったら最後2度と戻れない怖さが伝わって来る。

本で面白いのは、各場面で出されるロシア料理のレシピが紹介されていることだ。どうやらFさんはそれが気に入ったようだった。

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