先日、ドイツ南部のアウグスブルクでナチス時代の絵画が発見された。80歳の老人がスイス国境の警備員に職務質問されて、9000ユーロ(約110万円)を所持していたことが発端だった。自宅を調べてみたら、100㎡の部屋の1400点を超える絵画が置かれていた。マチス、ピカソ、シャガール、ルノワールなど、時価にして10億ユーロ(1300億円)相当というから驚きだ。
男は画商の父親から絵画を引き継いだものだという。生涯無職で独身の彼は、絵だけが友達だったらしい。密かに絵を売却しては食い繋いでいたようだが、それにしても永年よくも隠せ通したと感心してしまう。
第2次大戦時に絵画に纏わる話はよく聞く。映画「大列車作戦(The train)」では、フランスから鉄道で持ち出すのを鉄道員が阻止する話だったり、ソ連がドイツからプーシキン美術館に多くの絵画を移送した話は有名だ。今回の発見も、過去を辿れば面白い小説になりそうだ。
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