台風が猛威を振るい、フィリッピンでは1万人が被害にあったという。今回は大変な被害が出た。場所はレイテ島と聞いて、何やら思い当るものがあった。そう昭和19年のレイテ沖海戦だ。追い詰められた日本艦隊が止めを刺された一戦だった。この戦いで空母を殆ど失い、以降は地上戦に入って行った。レイテ湾に突入するはずの栗田艦隊も途中で断念した、俗にいう謎の反転だ。
レイテ沖海戦に先立ち、T戦法というのがあったと「零戦燃ゆ」に出ていた。それは台風を利用した攻撃で、日本海軍が台風シーズンを狙って仕掛けた奇襲作戦だった。敵の盲点を突くはずが、台風の中で飛ばすプロペラ機は如何なものだっただろう。頭文字のTは台風のT、そんなことをやっていた時代だった。
そして12月7日、ハワイ奇襲3周年目に大地震が名古屋を襲った。マグネチュード8の東南海地震だった。報道管制が敷かれ、事態は隠ぺいされたが、三菱始め多くの軍事工場が被害に会った。それは終戦を早めたと共に、特攻を一層加速させた両面を持っていた。ともあれ、今も昔もこの時期は自然が猛威を振るう。
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