Saturday, 2 November 2013

特攻隊員と月光の曲

鳥栖に、特攻で飛び立つ飛行兵が奏でたピアノであると聞いていた。以前から気になっていたので、近くに行った際に寄ってみた。それは駅前のひっそりした会館のロビーに置いてあった。説明によると、太平洋戦争の末期に、ピアノが置いてあった学校に突然2人の特攻隊員が現れ、最後の思い出にとベートーベンの「月光」を弾いたという。

九州は鹿屋、知覧だけでなく、多くの飛行場があった。その飛行兵はどこから飛び立ったのか、そしてその後どうなったのか知る由もない。映画にもなったというが、見たこともない。ただこうして場所柄、今もって当時の面影を残している。信州の別所に無言館があるが、そこに行った時と同じような気持ちになった。

その晩は、三瀬(みつせ)の鳥を味わった。焼き鳥、ささみ、どれをとっても新鮮で旨かった。そして地酒も最高だった。能古見、鍋島、万齢、東一、宮の松と、聴き慣れない銘柄だが、鳥との相性は抜群だ。ちょっとした処に旅情を感じたのだった。

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