Sunday, 6 October 2013

象のリンチ

先月のル・ポアン誌に、象の事件が2つ載っていた。どちらもアメリカで起きた事件だが、一つは1885年9月のこと。象の名前はジャンボといい、スーダン生まれで20歳になるまでロンドンのサーカスの人気者だった。メスを見ると暴れ出し手に負えない性癖もあった。それから二ューヨークに渡り、全米で3年間で9百万人の人が訪れる人気を博した。ところが夜間列車に乗り換えている際に、ランタンをつけ忘れた係員のミスで、列車に跳ねられ死亡した。
 
もう一つは象のリンチというショッキングな事件だった。時は1916年9月テネシーで起きた。マリーという名の象だったが、ある時飼育係が大好物のメロンをやっていた時、誤って同僚が調教用の棒で耳を突いてしまった。象は暴れ挙げ句、飼育係に圧し殺してしまった。それを見ていた観客が「象を殺せ!」と叫び死刑が決まった。刑は前代未聞の象の縛り首だった。100トンの大型クレーン車で引き上げられた象は、最後まで何が起きるのか分からず大人しかったという。当時の社会ではリンチはユダヤ人、黒人、インディアン、王など、珍しくなかった背景もあったようだと述べている。

象は体が大きく分、目は優しく何か寂しさが付き纏う。最近は動物に接することが少なくなっただけに、やけにこうしたアナログな記事が印象に残った。

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