仕事仲間のYさんが「これ聴いてみない?」とiTunesを貸してくれた。音楽談義で盛り上がったマルタ・アルゲリッヒのピアノだった。それも日本の童謡を奏でる、珍しいシリーズだった。「いいね!」と返すと、そうでしょとばかり、日本で録音された逸品だという。童謡をジャズで聴いたことはあったが、巨匠が弾くピアノは初めてだった。静かでとても心が落ち着く不思議な旋律だった。
アルゲリッヒは1969年にショパンコンクールで優勝し有名になった。それから確か3-4年して来日、当時上野の文化会館に足を運んでいた者として、その演奏会は強烈な印象だった。演奏が終わり、自宅に着くまで呆然と余韻に浸っていたのを、昨日のことのように覚えている。それから20数年してパリでも聴いたが、最初ほどの迫力はなかった。
誰かが彼女には子供が3人いるが、父親は皆違うと言っていた。波乱に富んだ人生を、温泉で癒している訳でもないだろうが、別府を気に入ってくれて嬉しい限りだ。先の童謡もそこで録音されたようだ。
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