Sunday, 27 October 2013

ジプシーとキリスト

あるフランス人と話していたら、ロマ人ことジプシー(仏語でGitan)の話題になった。欧州には1000万人を超えるジプシーがいる。昔は違法に入国していたのが、2007年にEUに加盟して以降、堂々と来るようになったという。その多くはルーマニアとブルガリア人だ。代々の盗みを職業にしているため、当然人種差別の対象になっている。そのジプシー、フランスのカマルグ(Camargue)にも居るというので興味を持った。

カマルグはプロバンス地方の湿地帯にある。近くに闘牛で有名なアルルの町があるが、昔はそこに牛を納めていた地域だ。ジーンズのデニム(Denim)は近くのニーム(Nimes)の町が語源であるが、確かにこの辺は放牧に携わる人が多かったようだ。そのせいか、今でもカマルグには白い馬が多く放牧されている。その他、フラミンゴやフクロウなど、野生の動物も有名だ。

そう言われてみると、確かに毎年夏に各地からジプシーが集まる祭りが披かれる。「黒いサラ」と呼ばれる聖女を偲ぶのが名目だ。サラはエジプトからやっていた娘である。それを聞いて思い出しのはマグダラのマリアだ。ダ・ビンチ・コードにも登場するが、キリストの子を宿った女性がエジプトから逃れれて今のプロバンスに上陸、そして密かに保護されながら今日に至っているという話だ。ジプシーとキリスト、全く正反対の二人がどこかで結びつこうとしている。


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