定年を間近にした人が、気が付くと休みが沢山残っていることに気が付いた。何かの時にと取って置いた有給休暇だが、いざ使おうとすると中々消化できない。加えて、もう会社に来なくていいと言われると、だったら行ける内に行こうという気になるらしい。
似たような話で思い出すのは戦後のウィスキーである。昭和30-40年代のジョニ黒やオールドパーはとても高価だった。我が家にも棚の真ん中に飾ってあった。ある時大事なお客さんが来た。今日こそは飲むのだろうと子供心に思っていたが、父は結局封を空けなかった。その後は誰でも手が届くような飲み物になってしまった。「あの時飲んでいればどんなに喜ばれたことだろう!」と思うのである。
友人で何かにつけ「No one knows what happens tomorrow」と言う人がいる。誰も明日どうなるか分からないから、今に生きようという意味だ。夢がないようだが私も同感だ。お寿司を一人前食べる時に、昔は一番美味しいマグロを最後に取っておいたが、今では順序が反対になった。「今でしょ!」が流行語になるのも分かる気がする。
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