梅雨入りした。蒸し暑いのは鬱陶しいが、陽が大分長くなってきた。真っ直ぐ帰るには忍びないと、久々に渋谷のパブ”ホブゴブリン”に寄ってみた。するとラッキーなことに、カントリーウェスタンのライブをやっているではないか。サイダー(リンゴ酒ビール)を頼み、静かに聴いていると不思議に気持ちが軽くなってきた。
Aspallというサイダーは、度数もビール並みなので酔いが廻る。それにしてもアメリカ人の音楽は陽気だ。1人さっきまで読んでいた坂井三郎の「空戦記録」を思い出した。時は昭和19年、今から69年前の同じ頃、零戦の坂井は横須賀から硫黄島まで飛ぼうとしていた。しかし梅雨雲が邪魔をし、何日も待たされた。片道1000Kmはとても遠く、飛行機はスコールに入ると一溜まりもないという。辿り着いた硫黄島では散々の砲撃に会い、結局一機も無くなった。
カーボーイハットを被ったアメリカ人の演奏を聴きながら、当時のことに想いを巡らせた。目と鼻の先に居た敵って、今日のようにビールを飲んで陽気に騒いでいたのだろうか。それに比べて飲み水もない孤島・・・アメリカ軍の上陸が始まる半年前のことだった。
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