夕方のニュースで、英国のマーガレット・サッチャー元首相が亡くなったと知った。享年87歳だった。
サッチャーの功績は2つあった。1つは1986年の証券市場の自由化(ビック・バン)だ。それまでシティーの代名詞はマーチャントバンクだった。オックスブリッジを出たジェントルマンが、血縁地縁で操るで金融の世界は本当に格好良かった。セビーロードのスーツに身を包み、電話一本で数億円を集める姿は、自転車に乗ってどぶ板をやっていた日本の銀行員からみると別世界だった。それが一瞬にしてアメリカの投資銀行の津波に消え去った、名を捨て実を取ったのがサッチャーだった。今のシティーは昔のオーラこそないが、相変わらず元気だ。先のロンドンオリンピックでもマラソンコースになるなど、進化している。
もう一つは、何と言っても1982年のフォークランド紛争だ。彼女はこの賭けに勝ち、その後の政治生命が繋がった。死者255名、負傷者777名、6隻の軍艦と34機の飛行機の犠牲を出しながら、先の2回の大戦を戦い貫いたジョンブル魂を見せた。国土を守るとは何か、それを忘れかけている日本人に尖閣、竹島の意味を教えてくれるのだった。彼女はニュートン、ネルソン、チャーチルと並び、国葬(State funeral)に伏されるという。
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