映画「レ・ミゼラブル」の評判が良かったので、観に行きたかったが中々時間がなかった。延び延びになっていたら、そろそろ上映が終るというので慌てて駆け付けた。レ・ミゼラブルは、以前ミュージカルを本場のパリとロンドンで観たことがあったが、今回もそれに違わず素晴らしい出来だった。
レ・ミゼラブルは、フランス革命後のパリを舞台にしたビクトル・ユーゴーの小説だ。人々の貪欲さ、自由への願望、愛と慈悲、運命、敬虔な祈りなど、人間臭さが全て詰まった作品である。小説も然ることながら、何といってもミュージカルの歌が素晴らしい。今回も、映画をミュージカル風に仕立てたのが良かった。スーザン・ボイルで更に有名になった「夢破れて(I dreamed a dream)」や、マリウスに思いを寄せるエポニーヌの「オン・マイ・オウン(On my own)」など、沢山の名曲をたっぷりと聞かせてくれた。
中でも、私は最後に全員で歌う「民衆の歌(People`s song)」が好きである。拳を握りしめ、様々な逆境の中にも生きようとする人間の逞しさが伝わってくるからだ。今回はその点、ややフィナーレの盛り上がりに欠けた感があったが、それでもこれを聞くと不思議と力が湧いてくる。目頭を熱くして映画館を後にしたのであった。
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