ルーブル博物館に招待した貧困の子供が、悪臭を理由に追い出されたというニュースが出ていた。どうでもいい話かも知れないが、フランス人は臭いにとても敏感である。昔パーティーのプレゼント交換で皮の財布を貰ったことがあった。箱から出して雑談していると、フランス人の同僚は皮の香りを嗅いでいる。視覚より臭覚が優先するらしかった。
映画にもなったが、「香水(Das Parfum)」と呼ばれる小説もある。特殊な嗅覚を持つ男が、人を魅了する香水を作らんが為に少女を殺しエキスを取る物語だ。最後は糾弾する人々までも、その媚薬で魅了してしまうという落ちが付いている。
プロヴァンスにあるグラースの町は、香水の産地として有名だ。町に入るといい香りがしてくる。ここで香水を調合するのが、「ネ」(フランス語の鼻の意味)と呼ばれる職人である。資生堂もここが原点だが、フランス人は往々にして犬のような鼻を持つ。個人的には湿度と密接に関係していると思うのだが、クンクン鼻孔を開くと新たな世界も見えてくるのかも知れない。
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