Thursday, 17 January 2013

ペダルを漕ぐと


もう帰国してしまったが、ベルギー人のBさんは自転車が趣味だった。いつも我が家に遊びに来る時は、ズボンのすそをまくり上げ、ペダルを漕いでやって来た。「車が危ないでしょ」と心配していたら、彼はサイクリング用のいい道筋を知っていた。外人用の地図があり、川副や静かな道を案内していたのだ。後日真似して走ってみると、確かに時間を感じさえないコースだった。
似たような発見は、外人用のはとバスに乗った時だった。英語の案内を聞きながら、普段とは違った東京の景色に驚いたことがあった。高尾山、浮世絵など外人が価値を見出して日本人が再認識したものは多い。カラオケ、アニメ、寿司、禅、柔道、武士道…もそうだ。

そんなBさんは、今でも桜の季節に日本にやって来る。昨年もわざわざ本国から自転車を持参し、まだ寒さが残る山陰と会津の山道を走破した。普段は通り過ぎてしまう景色も、ゆっくり走ると意外な発見があるのかも知れない。

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